2014/11/15

日本企業の株主還元方針

米国の長期連続増配企業は行動でその意志を示しています。
何十年も増配を継続してきた行動はそれ自体が経営陣に増配を促す要因になります。
50年間増配を続けてきて今増配をやめた経営陣は自らに能無しの烙印を押し、後世に悪名高きその名を記憶させます。生きている間は恥ずかしくて家から出れません。外に出ると一斉に後ろ指をさされます。さすがに言い過ぎかもしれません。
この企業が次に50年を達成するときは少なくとも50年先であり、そのときライバル企業は100年連続増配企業となっています。

一方日本企業は連続といっても10年そこそこ。ほとんどの経営陣は株式による資金調達コストはゼロと考えています。配当金はしぶしぶいやいやしかたなく払っています。10年程度の増配記録などいつでも踏み倒すつもりです。さすがに言い過ぎかもしれません。

私は日本企業に投資するときIRや短信で配当方針や株主還元方針を確認しています。
その内容と私の評価をあげてみます。


増配への意志を明記:
数は少ないが増配を指向すると明言している企業はある。利回りが魅力的な水準になったとき投資先となる可能性が高い企業群。

n期連続増配であることを明記:
当期時点で増配記録があるという記載。翌期以降も継続してくれそう。

自己株式の取得と消却を明記:
方針を明記しているなら株主還元のことを考えている。数値目標があればなおよし。

配当性向n%を明記:
業績悪いから配当金も下げます、という言い訳にも使えるので一概にいいとは言えない。何も書いてないよりはまし。

当社は剰余金の決定にあたり株主の利益を最重要経営課題と認識しており・・・というテンプレ:
少しでも業績悪ければ配当金カットに微塵も躊躇せず。

当社は株主への利益還元を企業経営の重要な使命と認識して・・・:
重要な使命という言葉はテンプレと違って経営陣が株主還元を重く認識している気がする。


すべてをここであげたように単純に評価しているわけではありません。特に何の記載がなくても増配を続けている企業もあります。
増配意向を確認したところで50年連続増配のような企業には太刀打ちできないので、素直に米国企業に投資するだけでもいいのかもしれません。

2 件のコメント:

  1. JNJ、CVX、MCDといった連続増配企業の決算テレカンを毎回、スクリプトで読んでいますが、ほぼ毎回、CEOあるいはCFOは「株主還元の第一は増配である」と明言しています。

    恋人・夫婦関係と同じかもしれませんが、常に「アイラブユー」と言ってほしい心理にこたえているんだなあ、と思って、しっかりホールドしております(笑)。

    日本企業はまだ配当性向も(比較的)そんなに大したことがないので、もう少し還元意欲のある企業には、連続増配できそうな気がしています。
    日本企業もある程度意識せざるを得ない、という環境は、我々のような投資家には追い風に違いありませんね。

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  2. 毎回名言とはすばらしいです。
    日本企業も買収防衛策とか考えてないで見習ってほしいものです。

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