2016/07/02

ぱんやさん

日本ではパンというとソーセージ等がはさんである調理パンや菓子パンが種類豊富に販売されていますが、米国ではパンと具材を買ってきて自分ではさんで食べるのが主流だそうです。
house of cardsでもケビン・スペイシーの朝食シーンでそんな光景が何度かあった気がします。


米国におけるブランドシェアトップはBimboの30.0%、次がFLOの28.9%です。
Bimboは世界最大のぱんやさんです。


Bimboの数字はWikipediaからとってきたので他と決算期がずれています。
Bimbo USAは2010年に3位のSara Leeを買収したことで2位FLOの2倍以上の規模となりましたが、その後当局からの要求で資産売却をした結果、Bimbo USAとFLOの差は縮まったようです。当時FLOもBimbo USAから資産を獲得しています。
山崎製パンは日本では圧倒的シェアがあると思うのですが利益率はとても低いですね。
余談ですが昔山崎製パンのプロジェクトに関わっていたとき毎週1回工場から作りたてのパンがプロジェクトルームに届いてました。プロジェクトメンバーは100人くらいいたのですが分け分けして頂いてました。クリスマス時期にはケーキとかも。まあ金額的にはたいしたことないですがやはり大企業ですねぇ。

さて5月に投資したFlowers Foods(FLO)について少し見てみましょう。

1919年設立。もうすぐcentennialです。

ビジネスモデルはINDEPENDENT DISTRIBUTOR MODEL、いわゆるフランチャイズがメインのようです。
フランチャイズを利用してボスになる人はindependent distributor(ID)と呼ばれます。
IDは最低ひとつのテリトリーを所有します。セブンイレブンのドミナント戦略とは違ってテリトリーは排他的です。つまり好立地の店で儲けていたらすぐ近くに同じフランチャイズができて売上が激減した、ということは無いわけですね。たぶん。
IDはテリトリーをひとつだけでなく複数所有できます。FLOは複数所有を推奨しています。
IDの顧客は一般消費者、レストラン、家族経営のコンビニとさまざまです。

IDsで構成されるdirect-store-delivery(DSD) networkは米国人口の85%をカバーしています。カバーしている割合はかなり高いので、これ以上となると国境を越えて北か南へ進出することになりますが、南はBimboががっちりおさえているのでまずないでしょう。いまのところ国外への動きはないようです。

販売はフランチャイズにまかせておいて、本社?はDSD networkで売れる商品、ブランドを探してくる(買収する)ことに勤しんでいるようです。

これらはFLOで販売している主なブランドですが、これまでにTastykake,Wonder,Dave's Killer Bread,Alpine Valley Breadを買収しました。Sunbeamはライセンス供与されているブランドです。
現在のところNature's OwnがUS#1ブランドで$1Bを稼いでいます。

長期的な成長目標は、
・売上成長 2%-4%
・EPS成長 8%-10%
であり、過去10年は概ね基準をクリアしています。


キャッシュの使い道ですが過去5年間で$1.3Bをacquisitionsに使っています。また過去10年のacquisitionsにより売上は$2B増加して倍になりました。
acquisitionsのためのキャッシュは主にdebt issueで用立てているようで、結果としてlong-term debtが$930Mつみあがっています。
FCFは$230M,EBITDAは$450Mと現時点ではそれほど気になる数字ではないですが、Grow salesのSTRATEGIESにacquisitionsと明記しているので、今後もつみあがっていきそうです。


配当は連続増配中ですが配当性向が6割を越えていますので、ここからの配当成長はあまり多くを期待できないと思います。

今後はlong-term debtのつみあげが許容される範囲内でacquisitionsによってEPSは成長すると思います。
目標としている8%-10%が続くかは?
その後は現行とは違う戦略が必要な気がします。
まあacquisitionsがなくても堅実な経営をしてくれれば米国の人口増加ペースプラスアルファ程度の成長は続くんじゃないかと。

intermission - いーすらんど
イングランドを撃破したゲームはおもしろかったですね。
次はホスト国が相手です。なんとかしてどうにかして勝ってもらいたい。

Disclosure:Long FLO

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