2015/09/11

書評、弱い日本の強い円

筆者は佐々木融氏。日銀マンとしてキャリアをスタートし、現在はJPモルガンのひと。2011年10月出版。

気になったところを。

1)日本のバブルが崩壊した1990年代以降、主要通貨で最も強かったのは円
為替相場は国力の違いを反映する、わけではない
経済力の弱い国の通貨は売られる、わけではない
人口減少は通貨下落につながる、わけではない

2)日本の財政赤字の為替への影響
財政赤字拡大懸念で長期金利が比較的大きく上昇すると、
→生保などの国内機関投資家が外債投資を手仕舞い国内へ資金を回帰(円高要因)
→それでもなお長期金利が上昇すると、海外投資家が高金利の日本国債を購入(円高要因)
→それでもなお長期金利が上昇し財政赤字問題が深刻化すると、海外投資家が日本国債を投げ出す(円安要因)

3)今後のドル/円レート
長期では購買力平価が成立する
2国間の為替レートはインフレ率差により決定される
これまでの日米のインフレ率差が今後もつづく前提なら20年後のドル/円レートは50円
日本のインフレ率が米国のそれを大きく上回るなら長期的に150円、200円
今後インフレ率差は縮小するか日本が上回ると予想


著者はドル/円レート50円は可能性のひとつとしてあげているだけでどちらかというと円安方向を想定しているように感じる。
円高方向になったとして20年後50円ならまだ米国株式へのbetは悪くない。さてどっちに転ぶでしょうか。
ひととおり読んだが図書館に返却したら購入して手元に置いておこうかと。

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