2015/01/15

書評、石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?

アメリカでの石油開発業への参入障壁は非常に低い:
政府から鉱業権を取得しなくても石油を売れる。(アメリカ、カナダ以外では政府から鉱業権の取得が必須)
パイプラインは縦横無尽に走っている。細分化された専門(探鉱、開発、生産、販売)の業者が数多く存在する。
極端な話、土地を買って穴を掘り地下の石油を近くのパイプラインにつなげばすぐにお金になる。

シェールオイルの採掘コスト:
40~70ドル程度

資源量:
技術的に回収可能な資源の量。経済性を加味しない。

埋蔵量:
資源量のうち、通常の方法で経済的な採掘が可能な量。
埋蔵量の計算方法に国際的な規定はない。各企業が勝手に計算している。

アパッチ:
老朽化した油田の権益を買い、テールエンドで収益を上げている。

オール・オア・ナッシング:
石油があるかは掘ってみるまでわからない。
試掘は少なくとも数億円、多くなると百億円以上。
掘ってそこに石油がなければそれまでの費用は全損。

ハイリスク:
鉱業権取得から生産開始まで数年から10年。
試掘で必ず成功は無い。
過去最大の失敗プロジェクトは当時の金額で20億ドルの全損。

シェア:
1973年、IOCを代表するセブンシスターズが世界の供給量の64%を占める。
1983年、セブンシスターズが世界の供給量の35%に。NOCがシェアを奪う。
近年、NOCは原油・天然ガスの埋蔵量の65%、生産量の49%を占める。
IOCは埋蔵量の7%、生産量の16%
IOCは高度な技術が必要な場所(つまりコストが高い場所)での採掘を余儀なくされている。

今後の石油需要:
輸送分野では水素エネルギーが拡大するが、産業分野では依然石油が必要とされる。(シェルのシナリオプランニングより)

以上、書評というよりめも書き。
ハイリスクとなるとやはり大きい企業に投資したい。
RevenueでXOM,RDS,BPあたりが最上位。次いでCVX,TOT。どーんとさがってCOP。日本のINPEXとかは比較にならないほど小さい。
今のところ追加の投資予定はXOM,BP,CVXとBHP(石油事業あり)のどこか。あと過酷な環境でも探鉱、採掘できる技術があるSLBは検討の価値あり。
じりじりとCrude Oilが下がってきてどこで入ればいいかわからん状態だけれども、今年投資しないとたぶん将来後悔するので適当なところで投資したい。セクター分散とか気にせず単純に各社$5,000ずつ投資するとかもありか。

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2 件のコメント:

  1. こんにちは。

    総合石油会社は、利益率の低い川下分野の売上が圧倒的に大きいので、川下分野をPSXとしてスピンオフで切り離したCOPの売上が少なく見えるのは当然かと思います。PSXスピンオフ前の売上を比較すると、COPは事実上トタルと遜色の無い事業規模であることが分かると思います。

    http://financials.morningstar.com/ratios/r.html?t=COP
    http://financials.morningstar.com/ratios/r.html?t=TOT

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  2. 匿名さん、こんばんは。
    そういえばPhillips 66をスピンオフしていました。
    ということはCVX,TOT,COPはほぼ同規模ということですね。ありがとうございます。

    返信削除

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